UEMURA Lab.
Program in Advanced Materials Science, Faculty of Engineering & Design, Kagawa University
研究を楽しみ,これから先成長が期待される学生(一意見)
将来技術的な職に就くことが期待される学生の皆さんを育てるために,厳しく接することになります.
仕事で作る商品は縁の下の力持ちのような素材であっても,人々が使い,状況により人の命を預かるようなものに使用されるからです.
研究・開発・品質管理・製造・・・どういう過程で携わるにしても,それぞれの役割をきちんと理解し,責任感もって行動する人材でなければならない,ということです.
「世の中に役に立つものを作り,不利益を最小限にする人材(人財)」を育てる.これが教員の役割です.
この目的のためには,基礎をしっかり身に付け,いい加減な判断を下さないよう,うるさく指導します.
技術的な面だけではありません.研究やモノづくりでは,人としての成長のほうが重要です.
このことから,下記のようなことを学生には期待しています.
大学の成績がいい学生が,必ずしも将来期待される人物になれるとは限らないことがポイントです.
配慮する人
製品がどういうところで使われるのか,工程が環境に影響を与えないか,考えながら行動する
チームで行動するため,人間関係にも気を付けよう
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バランスをとるために,人とのコミュニケーションを大切にしよう(情報共有,意見の交換)
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自分の行動,身なり,会話(素材などの作るときの,温度,溶媒などの条件に相当)などが不快を与えないか?
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研究室内,学科内の設備は一人の学生の物ではありません.共有することを忘れずに.
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研究室内の役割を担おう.
ルールを守り,行動する人
法律や会社内のルールは,人々の権利を守るためには欠かせないものです.
自分の都合でルールを守らないことは,社会の他の人の権利を侵害することにつながります.
もしおかしなルールと思うのであれば,どこがおかしいのか考え説明すること,きちんと説明する行動力などが必要です.
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自分一人で研究はできません.いろいろな人などの助けがあって成り立ちます.共同で作業するにはルールが必要です.
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論文を作成するにしても,論文ごとにルールがあります.人それぞれ好き勝手な形で書けば,平等に評価できないからです.
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快適な研究生活,社会人生活を送るには,ルールを遵守すること,ないルールは作ること
真摯に取り組む人
類は友を呼ぶ.このことわざのように,自分のレベルと同じぐらいの人が近くにやってきます.
それは同じレベルでの会話をするため心地よさを感じるからです.
仕事をいい加減にする人の周りには,いい加減なことをする人しか寄ってきません.
そうなると,自分が頑張っても誰かがいい加減なことをして,大変なことになります.
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誠実であれば,信用されます.約束・時間を守ることは当然です.
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自分の間違いを認め,問題解決を図れば,誠実と認識されます.
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変なデータだから,と勝手に改ざんするのは問題です.面白いデータかもしれません.悪いかどうか,再現性をとればいいことです.(失敗は成功のもとです.)
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人によって態度を変えることは,公平性がないとみなされます.
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嘘は意味がありません.自分を苦しめる行動です.
素直な人
素直に指導を受け入れる人は学ぶ速度も速いです.学習は人をまねることから始まります.
また,教える立場の人も,素直に学ぶ人にはより多くの情報を提供します.可愛がられます.
自分の知らないことは素直に学ばなければ,後で大変なことになります.
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経験に勝るものがない技術もあります.知ったかぶりをせず,素直に先輩,教員の指導を受け入れましょう.
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謙虚になりましょう.
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先輩,教員も人間です.間違うこともあります.間違いではないか?と思ったら,それを確認することが重要です.
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応用は基礎があってこそです.華やかに見える応用研究は,基礎的なことがなければ全くできません.先駆者の知恵はないがしろにしてはいけません.
チャレンジする人
会社で行う仕事は「結果がわからない」仕事であることがほとんどです.
また,常に新しいことに取り組まなければ,物事がいろいろ回らず,技術革新などにもついていけず,会社はつぶれてしまいます.
このため,自分の知らないことを学び続けることは,これから先のわからない未来を生きるためにも必要です.
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今はどのような分野の仕事でも,いろいろなことを知っている必要があり,境界がなくなっています.
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人間の体は常に新陳代謝で,古いものから新しいものに入れ替わり,成長痛などの痛みを感じながら成長しています.
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それと同じで,新しく学ぶことは壁があります.なんでもそうですし,誰でも同じです.自分一人が感じているわけではありません.
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学ぶこと=情報収集ですが,それをネットだけで済ませるのは危険です.正しいものだけではありませんし,環境上,学びません.
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読書することをお勧めします.AIに勝る人間力は読解力を身に付けることにあります.このためには,読書することで,文章の真意,裏を読む訓練が必要です.